どうも、ワリオです。
最近『ヴァンパイア/最期の聖戦』のアダム神父の記事ばかり書いてますが、今回はこの映画の魅力について考えます。
なお、ワリオはアダム神父が出ているシーン以外はほとんど飛ばして見ていません。
全体の感想についてはこちら。
タイトルに書いたとおり、ワリオはセリフがないシーンにこの映画の魅力を強く感じます。ジョン・カーペンター監督の他の作品は見たことないですが、「この監督凄いな!」と思います。
具体的には次の8つのシーンです。スクショの代わりにスケッチつき。
①アダム神父を無言で睨むジャック
「話は聞いてます。ご両親が吸血鬼に咬まれ、教会で始末人に育てられた。」
アダム神父は憧れの始末人に同行できる嬉しさから、明るい口調で話しかけます。このセリフを言ったとき、運転中のジャックがアダム神父の方を一瞬向き、無言でサングラス越しに睨んだ後、呆れたようにちょっと首を横に振ります。
本当は、ヴァンパイアに咬まれた父親が5日間秘密にして発症し、母親を殺してジャックにも襲いかかってきたため、ジャックが父親を殺したのですが、アダム神父は知りません。ジャックの無言の表情には複雑な思いが現れている気がします。このときの思いがバスルームのシーンに繋がっていて、よく考えてあるなぁと思います。
②死者を見てショックを受け眼鏡を外すアダム神父
ジャックが死体の上のシートをめくって、むごい死体を目の当たりにしたアダム神父はショックを受けたように一瞬顔を背けながら眼鏡を外します。しかし、その後ちゃんと向き合って祈りを捧げ始めます。
③死者に祈りを捧げるアダム神父を無言で見上げるジャック
②の続き。しゃがんで死体を見ていたジャックは、祈りを捧げ始めたアダム神父にちょっと驚いたように見上げます。おそらく、アダム神父の純粋さと慈悲深さに驚いたんだと思います。推測ですが、ジャックが生きてきた環境にはこんな神父はいなかったのではないでしょうか。
④アダム神父の手の止血をするジャック
アダム神父に教会の秘密を吐かせるためにバスルームで右の掌を切り、お腹を刺そうとまでしましたが、アダム神父が話し始めたら、トイレの蓋に座らせて止血を手伝います。おそらく心臓の高さに手を上げさせてるんだと思うんですが、ジャックの手がなんか優しいんですよ。しかも右のスケッチみたいに1秒くらいアダム神父の頭に触るんですよ!ジャックの「君のことが好き(like)だ 痛めつけたくない」ってたぶん本心だったんでしょうね。好きになったのはきっと③のシーンの影響が大きいと思います。
⑤アダム神父の首に防具を巻くジャック
ジャックがいきなりアダム神父の襟のカラーを外して首の防具を巻きます。2人とも無言。何か意味ありげに外したカラーを見せるジャック。巻かれている間目を合わせられずパチパチ瞬きするアダム神父。ジャックの態度が前日と全然違うのが面白いです。
このシーン、別になくても話はつながるのですが、あえて入れたのが凄いと思います。
⑥ジャックとアダム神父の無言の握手
エレベーター作戦で囮になると言うアダム神父。ジャックは心配しつつ、「いいだろう」と言って無言で右手を出し、アダム神父も右手を出してガシッと握手。そしてジャックは左手でポンと軽くアダム神父の右手を叩きます。優しさが出てます。
握手してアダム神父が行こうとして、やっぱり心配で止めようとするやり取りも面白いです。仲間になった途端、全然態度が違うんですよね。包帯巻いたのもジャックかもしれませんよ。
⑦監視カメラ越しに手を振るアダム神父にちゃんと反応を返すジャック
このシーンも④と同じく別になくても話はつながるのですが、ワリオはこのシーンを見て、「この監督凄い!ジェームズ・ウッズの演技凄い!アダム神父優しい!」と感動して、見るたびに涙が出ます。
アダム神父は前日にジャックからナイフで右の掌を切られて、包帯を巻いています。なのに笑顔で手を振るんです。それを見たジャックは、一瞬目をつむり、心配と友情が入り混じったような表情で、握っていた掌を開いて応えます。監視カメラ越しだからアダム神父には見えてないのに!
このシーンのジェームズ・ウッズの表情と仕草が最高なんですよ!監督もよくぞこんな素晴らしいシーンを撮ってくれたと感謝したいくらいです。
⑧別れ際に無言で抱擁するジャックとモントヤ
モントヤが一瞬空を見上げ、ジャックもそれにつられて空を見上げた後、無言で抱擁します。相棒との切ない別れ。モントヤとどうやって出会ったのかとか細かい設定が描かれていないのに、2人の付き合いの長さを感じさせる熱いシーンです。
その後、車に乗り込むモントヤの背中にジャックが手を添える仕草も悲しみを帯びていて、また「ジェームズ・ウッズ凄い!」って思いました。
さて、セリフのない8つのシーンを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
なくても話がつながるのにあえて入れてるシーンは、映画の魅力としてとても重要なのだと、ワリオはこの映画を見て気づかされました。
シーン⑦に関連する過去の記事
アダム神父の思いやりに惹かれる - 通関士勉強と映画と趣味のブログ
ジャックと「お母さんの木」(映画についての考察) - 通関士勉強と映画と趣味のブログ