通関士勉強と映画と趣味のブログ

きびしい道でもゆっくり歩けば足跡が残る(by書道家・時重泰香)

なぜアダム神父が自分を殺そうとしたジャックと相棒になれたのか真剣に考えてみた

どうも、ワリオです。

この映画にハマっているのは昨日の記事で書いた通りです。

www.warriooorz.com

この記事でこんなことを書きました。

  • 蹴り飛ばされたり殴られたり掌を切らたり殺されかけたりしたのにジャックと相棒になれたのが不思議でしょうがないが、神父であるが故な気がする。ジャックの悲しい過去を知り、自分にしたことをすべて許し、救いたい、力になりたいって思ったんじゃないかな。積極的に戦いに参加したり、親しげに手を振ったりしたのは、その気持ちの表れってことで。
  • アダム神父が秘密を話した途端、ジャックが優しくなってびっくりした。包帯を巻いたのもジャックかもしれない。自分じゃ巻けないだろうし。それなら、翌日の親密さにも説明がつく気がする。

 

で、思い切って小説風にしてみました。いたって真剣に考えました。

読んでみようと思われた方はスクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君はいい奴だ。これで仲間だ」

 ジャックはアダム神父の右肩に手を置いてそう言うと、バスルームから出て行った。

「……神よ。お許しを」

 アダム神父は目を閉じた。ナイフが迫る恐怖に耐えられず、教会の大事な秘密を話してしまった罪悪感。しかしそれ以上に、ジャックを知らず知らずのうちに傷つけていた自分の無神経さに打ちひしがれた。

 

『話は聞いてます。ご両親が吸血鬼に咬まれ、教会で始末人に育てられた』

 

 アダム神父が憧れの始末人ジャック・クロウに同行し始めた時に興奮しながら言った言葉。教会から聞かされていたジャックの生い立ちだ。しかし本当は、吸血鬼に咬まれた父親が咬まれたことを秘密にし、5日後に発症して母親を殺した。そしてジャックにも襲いかかり、ジャックは父親を殺した。

 

『俺は自分の父親を殺した。お前だって殺すぞ』

 

(彼は私に秘密を話させるため、先に秘密を打ち明けたんだ。脅すためとはいえ、知られたくない真実を打ち明けるのは、どんなにつらかっただろう……彼は許せないんだ。父親のように大事なことを秘密にする人間が。そして、父親の異変に5日間も気付いてあげられず、殺してしまった自分が…)

 アダム神父は胸が張り裂けそうになった。

 

「オイ、いつまでそこにいるつもりだ」

 ふいに戻ってきたジャックに思わずビクッと体を震わせた。アダム神父の怯える様子と目に浮かんだ涙を見て、ジャックはさすがにひどいことをしたと思った。

「……来い。包帯巻いてやる」

 アダム神父は右手をタオルで押さえて心臓の高さに手を挙げた状態のまま、おそるおそるバスルームから出てきた。

「そこの椅子に座れ」

 アダム神父は不安そうな表情でジャックを見つめた。

「…安心しろ。もう何もしない。仲間だからな。怖がらせてすまなかった」

 目を閉じ謝るジャックにアダム神父は驚いた。

 

「うっ…」

 ジャックがアダム神父の掌に消毒薬を塗る。ナイフで勢いよく斬られた掌に激痛が走り、思わず手を引っ込めたくなるが、掴んでいるジャックの左手がそれを阻止する。ただ、掴む力はそれほど強くなかった。

 塗り終わると今度は丁寧に包帯を巻き始めた。先程の乱暴さは微塵も感じない。

 (「君が好きだ。痛めつけたくない」…あれは本心だったのか…?)

 アダム神父は別人のようなジャックの仕草ひとつひとつを観察した。

 しばらくして包帯が巻き終わった。アダム神父は顔の前に右手を上げ、丁寧に巻かれた包帯を見つめた。

「傷跡は残るかもしれん。すまんな」

 ジャックは再び謝り、救急箱を片づけようとした。アダム神父は右手を自分の胸に当て、左手を重ねた。

「こんなの…あなたの心の傷に比べたら…」

 伏せられたアダム神父の目は悲しみを帯びていた。

 「神父……俺に慈悲を?散々蹴られ殴られ殺されかけたのにか?」

「…それは私が秘密を隠し、あなたを傷つけた罰だ」

 アダム神父は顔を上げ、ジャックをまっすぐ見つめた。

「……君は本当にいい奴だな、神父」

 そう言って戸惑いながらもわずかに微笑むジャックを見て、アダム神父は神に誓った。 

(神よ、私は彼のために戦います。彼を過去の苦しみから救うために)