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映画『ハード・ウェイ』資料集⑪小説 その8 モスはブリックス警部には心を開いている

『ハード・ウェイ』J.R.ロビテイル/堀内静子 訳 二見文庫(1991)

 

フロッグドッグのシーンで、激怒したモスの長いせりふを聞いたニックは、感動した後、こう分析します。

あれはドラマティックにほとばしった、正直で自然な感情の発露だ。(中略)あの感情の爆発は、モスに会って以来はじめて耳にする長いせりふだ。あれはひとつのきざしだ。いいきざしだ。モスはようやく心をひらこうとしている。 

 

たとえ苛立ちや怒りでも、言葉にして表現してくれることが、モスの心の開き具合を表しているとニックは考えています。

 

だとしたら、モスはブリックス警部には心を開いているのではないかと思います。ニックのお守りを命じられたモスはまるで駄々っ子です。

「冗談ですよね。スケイトに乗せられたでんしょう」

モスはブリックス警部のデスクの前に立ち、まごついたように警部を見つめた。

 

「おれが生きているうちはいやだ!」モスは爆発した。「いやだ、ぜったいにいやだ」

警部は部下のなかでもとりわけ扱いにくい警官を見つめ、疲れたように頭を振った。

 

「ヘアドレッサーを連れてくるんですか。メーク係も?ひょっとして大道具係も?」モスの声はひと言ごとに1デシベル高くなった。

「ニック・ラングの変装が見抜かれたら、モス」警告した。「きみに責任があると思うからな。きみをパトロール警官にもどすぞ。わかったか?」

モスはぶすっとして肩をすくめた。

 

ブリックス警部の前だと感情表現豊かですね(笑)

 

この後、実弾入りの銃が欲しいというニックにまた怒りを爆発させて、ブリックス警部に独特な例えで「いやだ」を表現し続けます。

 

「おれの舌を警部のテールパイプにしばりつけられて、はだかのまま割れたガラスの上を時速80マイルで走らされてもいやなものはいやだ」

 

時速80マイルは時速130キロくらいです。ちなみに映画では、DVD吹替は「時速150キロ」、ブルーレイ吹替は「時速100キロ」と言っています。Blu-ray英語字幕は「drove me 80 miles an hour」。

モス、結構長い間しゃべります。

 

その後もモスはニックの件で何度もブリックス警部に不満を訴えに行きます。

しかし、ブリックス警部も無能でなかったからこそ今の地位までのし上がったので、モスをきびしくにらみ返したり怒鳴ったりして、抗議を退けます。ニックの大ファンというのもありますが。

 

モスがこれだけ感情を爆発させられるブリックス警部は、ただの上司ではなく、師匠的な存在なのかもしれません。